- 薬剤師の転職最適時期はいつなのか?
- 薬剤師は充足していっているのか?
- 将来、薬剤師は余ってしまうのか?
転職成功の鍵は転職活動の時期を間違わないことです。
転職を考える方は、この記事を読んで適切な時期に転職活動を始める参考にしていただけると幸いです。
今回は国が発表する有効求人倍率から、これら疑問を考察します。
この記事を書いた薬剤師夫婦

ミチル
病院8年▶︎派遣2年▶︎調剤薬局7年
【現在】中規模病院の薬剤師部長&病院人事担当
ヒナタ
調剤薬局5年▶︎派遣3年
【現在】小規模病院の時短社員
【要点】
- 有効求人倍率=有効求人数➗有効求職者数
- 有効求人倍率:1以上=求人過多、1以下=求職者過多
- 薬剤師の有効求人倍率は年間を通して2前後と高い水準
- 転職最適時期は11月以降がベスト、その傾向は正社員で顕著
- 求人の探し方次第で転職成功率は変わる
- 現代の薬剤師転職において、転職サイトは必要不可欠(➡︎転職サイトの正しい選び方はコチラ)
有効求人倍率とは?
有効求人倍率は【求人数と求職者数】の状況を表す数値です。
厚生労働省より毎月『一般職業紹介状況』として発表されます。
ミチルつまり、職を求める1人に対して何件の求人があるかがわかります。
【有効求人倍率計算式】
有効求人倍率=有効求人数➗有効求職者数
- 有効求人倍率>1:求人数が求職者数を上回っている状況(転職者有利)
- 有効求人倍率<1:求職者数が求人数を上回っている状況(転職者不利)
薬剤師・年間有効求人数と倍率
有効求人倍率は”パートを含む値”と”含まない値”の2通りが発表されます。
以下、厚生労働省資料による”医師薬剤師他”の月別有効求人倍率です。
月別求人数(パート含む)
非正規求人を含む有効求人数のグラフが以下です。


※引用元:厚生労働省HP(報道関係資料)
- 有効求人数は夏に減少
- 10月に一気に増加
- 10月から3月が多い
- 2025年は5月からの減少が顕著
月別求人数(パート除く)
非正規を除いた有効求人数のグラフが以下です。


※引用元:厚生労働省HP(報道関係資料)
- 有効求人数は9月にかけて減少
- 1年を通して大きく変わらない値を推移
- 2025年は7月からの減少が顕著
月別求人倍率(パート除く)
非正規求人を含む有効求人倍率のグラフが以下ですです。


※引用元:厚生労働省HP(報道関係資料)
- 年間を通して1.8を超えており、他職種と比べると高い値を推移
- 例年、12月から3月がピーク
- 5月から6月が最も少ない
- 7月頃から2月にかけて上昇し、その後減少する傾向
- 2025年は5月に最小値になり、その後上昇が鈍化
月別求人倍率(パート含む)
非正規求人を含む有効求人倍率のグラフが以下ですです。


※引用元:厚生労働省HP(報道関係資料)
- 年間を通して2.6倍を超えており、他職種と比べると高い値を推移
- 例年、12月から3月が高い
- 4月から6月が最も少ない
- 7月頃から3月にかけて上昇しその後減少する傾向
- 2025年は例外で9月に最小値になっている
考察
薬剤師の有効求人数と倍率は年間を通じて高水準を維持しており、他職種に比べても求人が多い状況が続いています。
例年は10月以降から翌年3月にかけて求人数・倍率ともに上昇し、春から夏にかけて一時的に減少する傾向が見られます。2025年は特に5月からの減少が顕著で、例年より回復が遅れています。
パートを除く正規雇用では年間を通じて安定しており、非正規を含む場合に季節変動が大きく出る点が特徴です。
全体として薬剤師需要は依然として高いものの、春〜夏は求人選びの選択肢がやや限られる可能性があります。
転職活動は秋以降が有利な時期といえます。
転職最適時期とは?
有効求人倍率から見る薬剤師の転職最適時期は12〜3月がベストです。
求人数が最多となる11月頃から転職活動を始めるのが最適でしょう。
正社員と非正規に転職最適時期はかわりません。
一般的に転職が推奨される冬のボーナス後が薬剤師にも当てはまります。
一方で、夏のボーナス後はオススメできない結果となりました。



薬剤師の求人倍率は年間を通して高い水準で推移しており、依然として売り手市場は変わりないと言えます。
ただし、上記のグラフは地域差は考慮されていないので、地方と都市部で偏りがあることに注意が必要です。
最適時期以外の狙い目案件
転職最適時期(11月〜3月)に転職しやすいのは事実です。
ただ、最適期間以外でも狙える求人があります。
病院の欠員募集
中途の病院求人は年間を通してでる可能性があります。
確かに11月〜3月が多いですが、急に欠員がでることもあります。
中〜小規模であれば特にその傾向が強いです。
慢性的な人材が不足している精神科や療養病院も年間を通して募集を見かけます。



転職最適期間によらず、こまめに求人をチェックすることが重要です。
新規開局・出店
調剤薬局の新規開局やドラッグストアの新規出店も転職最適時期によらないことが多いです。
オープンの半年〜1年前に求人がだされます。
年間を通して確認しておく必要があります。
特定診療科の増員(非正規)
例えば花粉症の時期(1月〜5月)は耳鼻科が大盛況です。
通常の2〜3倍もの患者が受診する医療機関も珍しくありません。
その時期に合わせて、門前の薬局が期間限定で求人をだすことが頻繁にあります。
高額派遣や期間限定就労を狙う場合は要チェックです。
転職成功率アップ!?求人の探し方
現代の薬剤師転職において、転職サイトの活用は必要不可欠となりました。
理由は、自分で求人を探すより圧倒的に転職活動における効率がいいからです。
それだけに、転職サイト選びが最も重要になります。


また、希望する条件によっては転職サイトを使わない方がいい場合もあります。
まとめ
- 有効求人倍率=有効求人数➗有効求職者数
- 有効求人倍率:1以上=求人過多、1以下=求職者過多
- 薬剤師の有効求人倍率は年間を通して2前後と高い水準
- 転職最適時期は11月以降がベスト、その傾向は正社員で顕著
- 求人の探し方次第で転職成功率は変わる
- 現代の薬剤師転職において、転職サイトは必要不可欠(➡︎転職サイトの正しい選び方はコチラ)








