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- 病院で高収入案件を探している
- 療養病院へ転職した実体験を知りたい
一般的に病院薬剤師は年収が低く300万台の提示も少なくありません。
病院薬剤師で高年収を狙うには療養病院も選択肢のひとつです。
ただし、病院の特性により人気がない理由もあります。
この記事を読むことで、『薬剤師視点での療養病院の解説』と『病院で高年収も期待して療養病院に転職した実体験』を知ることができます。
また転職後の実際の給与が額面提示金額を大きく下回る結果となった希少体験でもあります。
病院で高年収を目指したい方、ぜひご一読下さい。
この記事を書いた薬剤師夫婦

ミチル
病院8年▶︎派遣2年▶︎調剤薬局7年
【現在】中規模病院の薬剤師部長&病院人事担当
ヒナタ
調剤薬局5年▶︎派遣3年
【現在】小規模病院の時短社員
要点
- 病院薬剤師で高年収を狙うなら療養病院はオススメ
- 療養病院へは特色を理解した上で転職すべき
- 残業代やボーナスの割合が大きい年収提示は要注意
- 高年収を希望する際は転職サイトを使う方がベター(選び方が重要)

はじめに:病院で高年収は希少案件
病院薬剤師の年収は他の薬剤師の業種に比べて圧倒的に低いです。
実感では400万円台が最も多く、高額であっても500万円台前半がやっとです。
これは都市部でも地方でも大きく変わりません。
病院薬剤師で高額をもらうために条件を考える必要があります。
- 小規模病院
- 療養/精神科病院
- 薬局長案件
- 非電子カルテ
などは、病院の中でも人気と反比例して年収は高い傾向にあります。
今回は筆者が療養病院へ転職した際の実体験となります。
療養病院とは
まず療養病院とは、急性期の治療を終えた後も長期的な医療や介護が必要な高齢者や慢性疾患の患者が入院する医療機関です。
リハビリや日常生活の支援、慢性疾患の管理などを中心に行います。
急性期病院よりも医療行為は少なく、穏やかな環境でのケアが重視されます。
患者一人あたりの在院日数が長いのが特徴です。
次に、療養病院の特徴を薬剤師の視点からメリット・デメリットに分けて解説します。
療養病院:メリット2選
給与・待遇
不人気であるが故に慢性的な人手不足であることが多いです。
そのため給与水準が高めです。
500万円以上の提示提示をする病院も珍しくはないです。
待遇は【土日休み・当直なし・残業なし・休日出勤なし】など、ライフワークバランスがとりやすい傾向にあります。
仕事内容
臨時薬・定期薬の調剤・監査が中心であることが多いです。
服薬指導も療養病院では対象者が少なく、活発にできていない病院が多いです。
また病態が安定している患者様が多く、急な投薬が必要となることが少ないです。
結果として、予定外の勤務が少なく仕事に集中できる傾向です。
ミチル服薬指導対象者も限られていることが多いですね。
療養病院:デメリット4選
仕事内容
調剤・監査業務中心のルーチンワークで業務の大半を占めることが多いです。
慢性的な人手不足で業務拡大も難しく、日々が同じ繰り返しとなる感じる可能性が高いです。
対人業務が重要視される風潮の中、対物業務中心の業務になってしまいがちです。
経歴評価
調剤薬局や病院の中には、療養病院での経歴は病院経験とはみなさないところもあります。
今後の薬剤師人生のキャリアを考えるのであれば、療養病院で働くことが悪影響となることもあるので注意が必要です。
スキル
急性期病院などに比べ薬剤師のスキルアップに繋がりにくいです。
容態が安定されている患者様が多く、薬の投与を経時的な変化をもって確かめる機会があまりに少ないです。
またカルテから学ぶことは多いですが、医師のカルテ内容も急性期ほど充実していません。
以上のことより、臨床知識を深めることが難しい環境であると言えます。
社風
安定的で保守的な薬剤師が多い印象です。
悪い言い方をすると、あまり向上心のない方が多いかもしれません。
それは薬剤師だけでなく他の職種にもいえるでしょう。
【体験談】療養病院に転職した実体験
急性期病院に長年勤めており、転居に伴って退職をしたタイミングでした。
結婚と子供を授かったことで、働き方を考える時期でした。
優先すべきものは、給与・休日・帰宅時間の3つでした。



妻と相談し、優先すべきものは、給与・休日・帰宅時間の3つとしました。
おのずと就業時間が比較的早い”病院”が候補となりました。
転職サイトに登録
”高年収病院薬剤師”は希少案件であるため、転職サイトを利用することにしました。
転職サイトは雇用形態(正規・非正規)や業種(病院・調剤薬局・企業)によって、得意不得意があります。
転職サイトは選び方が重要です。⬇︎


今回は転職サイトの中でも病院に強い”薬キャリAGENT”に登録をしました。
薬キャリAGENT
| オススメ度 | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ |
| 運営会社 | エムスリーキャリア(株) グループ会社:エムスリー |
| 拠点数 | 2 |
| 対応エリア | 全国 |
| 運営年数 | 16年 |
| 優良認定※ | あり 期限:2028.2.29 |
※優良認定:厚生労働省が委託事業として行う優良な薬剤師転職サイト認定制度
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| 総求人数 | ◎ 4.2/5.0点 |
| 病院 | ◎ 3.0/5.0点 |
| 調剤薬局 | ◎ 3.7/5.0点 |
| ドラッグストア | △ 0.9/5.0点 |
| 企業 | △ 0.8/5.0点 |
| 派遣 | ◯ 2.2/5.0点 |
※記号は管理人が選定した複数の選択サイトの公開求人数を、独自の基準で相対的に比較した数値を表しています。(2025年時点)
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初期電話面談
登録が終わるとすぐに電話がかかってきて、職歴や現状の詳細の聞き取りがあります。
その後、今回の転職に求める条件を伝えます。
以下の条件を口頭で伝えました。
- 高年収(年収550万以上)の病院薬剤師
- 週休2日
- 住居より交通機関を利用し1時間以内
病院の相場を知っていたため、この条件では案件数が少ないことはわかっていました。
しかし、現職種の調剤薬局で日々感じる憤りと家庭との両立を考えたうえでの条件としました。
改めて”病院薬剤師で高収入”は案件が少なく厳しい旨は説明されましたが、あてはまる案件を調べて連絡をいただけることとなりました。



希望条件を伝える際は3つ程度に絞って端的に正直に伝えることが重要です。
特に年収や休みは具体的な数字で伝えるべきです。
包み隠さず条件を伝え、担当者と一緒に条件を練っていくのが理想です!
案件提示
翌日、さっそくメールで3件の案件を提示していただきました。
厳しいと言われつつ翌日に連絡いただけるあたりが、”薬キャリAGENT”の質の高さが伺えます。
案件は2件は療養病院、もう1件は精神科病院でした。
案件内容を見比べ、自身でも病院HPなどで調べ、吟味して1件に絞りました。
応募を決めた案件は以下です。
【案件提示例】
| 法人名 | ○○病院 |
| 所在地 | 滋賀県××市■■町 |
| 始業・終業・休憩時間 | 8時15分〜17時15分 休憩60分 |
| 休日又は勤務日 | シフトに従う、週休2日 |
| 雇用期間 | 定めなし |
| 賃金 | 基本給:229,000円/月 各種手当:90,000円/月 時間外:60,000円(1日1時間計算) 賞与:960,000円/年 想定年収≒550万円 |
| 社会保障等 | あり(労災保険・健康保険・雇用保険・厚生年金) |
| スタッフ数 | 薬剤師:4名、事務:6名 |
| 病院の概要 | 療養専門の約400床病院です。 薬剤師1名が退職見込みによる募集です。 メインの業務は入院患者の定期薬調剤です。 服薬指導は月50件程度、混注業務はなし、電子カルテです。 病院薬剤師の経験をお持ちの方を探しておられます。 薬局長は40代男性で気さくで優しい印象です。 |
| その他 | 交通費:あり 社内規定に準じる 雇用開始日:○月○日 |
上記案件を選んだ理由は消去法でした。
精神科は経験がないため飛び込む勇気がなく、もう1つの療養病院は規模が小さく紙カルテだったため選択より外しました。
病院見学・面接
見学時は確認するポイントを事前に決めておくと良いです。


今回は以下の点をチェックしようと決めて望みました。👇
- スタッフ全員に挨拶をして第一印象の確認
- 業務内容の確認
- 残業の有無(提示通りに毎日1時間程度の残業は実際しているのか?)
見学当日、担当者も同行していただけました。
病院に着くと人事の方に薬局に案内され、そこからは薬局長の説明となります。
まず薬局の方々を1名ずつ紹介と挨拶にまわります。
みなさん仲の良い感じで職場の雰囲気が良いと思いました。
次に業務内容を簡単に説明を受けます。
400床の定期薬を1週間単位で払い出すので、それだけで手一杯の様子でした。
服薬指導は認知症患者が多く対象者が少なく薬剤師1名につき5人程度の担当制です。
電子カルテのため各業務のオペレーションも無駄がなく、スムーズに日々の業務が行われているように感じました。
その後の面接は履歴書と職務経歴書にそった一般的なものでした。
実際の残業時間は薬剤師のタイムカードを見せていただき、確認することができました。
数日後、内定をいただき就業初日をむかえます。
就業初日
事前に薬キャリAGENTを通して必要な手続きを終え、いよいよ就業初日となりました。
見学の通り、職場の雰囲気はよくルーチン業務を丁寧に教えていただき3ヶ月もたつと慣れてきました。



急性期病院で長く勤務した経験がありましたので、特に問題なく仕事を覚えていくことができました。
仕事内容
今回の転職先では、人手不足で定期薬の払い出しで手一杯で業務拡大は難しい状況でした。
毎日毎日、定期薬の調剤と監査に追われる日々で転職半年も経たないうちに、仕事に飽きてしまっていました。
新たな診療報酬の算定を目指しても、マンパワー不足で条件を満たせないことも多々ありましたね。
給与減額の事例:残業禁止令
転職後半年が経過したタイミングで、病院の方針で残業禁止令がでました。
かつ、ボーナス30%カット!!
年収は提示された金額から大幅減の約450万円まで落ち込みました。



残業込みでの年収提示には、このようなリスクがあることが勉強になりました。
また、ボーナスが手厚くされている場合も注意が必要です。
年俸制や残業代抜きで希望年収を満たす案件を選択する方がいいのかもしれませんね。
まとめ
病院薬剤師で高年収を叶えるためには、療養病院を狙うのも選択肢のうちです。
ただし、療養病院ならではの特色を理解した上で転職されることをお勧めします。
また、給与体系について、残業代やボーナスで年収を多くみせている場合は注意が必要です。
今回の体験記を”療養病院へ転職を考える一助”としていただければ幸いです。
まとめ
- 病院薬剤師で高年収を狙うなら療養病院はオススメ
- 療養病院へは特色を理解した上で転職すべき
- 残業代やボーナスの割合が大きい年収提示は要注意
- 高年収を希望する際は転職サイトを使う方がベター(選び方が重要)










