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令和4年度の診療報酬改定で「リフィル処方箋」が解禁となりました。
しかし、開始2ヶ月の時点で浸透率はわずか。
全処方箋に占める受付回数割合は0.053%にとどまっています。
これから使用率は上がっていくのか?
それとも、、、?
現役薬剤部長である筆者が解説・予測します。
リフィル処方箋とは
1回の受診で発行された処方箋を3回まで受診なしで使い回せるというものです。
処方箋に「リフィル可」の欄に医師がチェックをいれることで使用することができます。
留意事項は以下です。
- 保険医がリフィル可能かの判断をし、可能なら「リフィル可」にレ点を記入
- リフィルの総使用回数は上限3回まで
- 投薬料に限度が定められている医薬品(向精神薬など)及び湿布薬は対象外
- 受付可能期間:初回は通常通り、2回目以降は前回の調剤日を起点とし、当該調剤に係る投薬期間を経過する日を次回調剤予定日とし、その前 後7日以内とする
- リフィル処方箋を調剤した際は調剤日及び次回調剤予定日を記載するとともに、調剤を実施した保険薬局の名称及び保険薬剤師の氏名を余白又は裏面に記載の上、当該リフィル処方箋の写しを 保管すること
- 保険薬剤師はリフィル処方箋による調剤が不適と判断した場合は、調剤を行わず受診勧告を行い処方医に速やかに情報提供を行うこと
- 保険薬剤師はリフィル処方箋の交付を受けた患者に対して、継続的な薬学的管理指導のため、同一の保険薬局で 調剤を受けるべきである旨を説明すること
- 保険薬剤師は予定される患者が来局しない場合は、電話などにより確認すること(他の薬局を希望した場合は必要な情報をあらかじめ提供すること
以上、R4.3.4.「令和4年度調剤報酬改定の概要 (調剤) 」厚生労働省保険局医療課より引用一部改変
リフィル処方箋の狙い
国は医療機関への受診回数を減らし、医療費をおさえる目的が最も大きな狙いです。
他にも以下の目的があります。
- 軽症患者の健康管理を薬剤師に振ることで、医師をより高度な医療へ集中させる
- 患者の受診負担の軽減
現在の状況
2022年6月時点で全処方箋に占める受付回数割合は0.053%。
受付実績がある薬局は17.6%にとどまっています。
近隣病院の状況
現在、筆者の近隣の病院でリフィル処方箋を発行している医療機関はありません。
課題
現実的なニーズが見当たりません。
一般に「大病院の前など外来負担を軽減させたい目的でリフィルはニーズがある」と言われていますが本当にそうでしょうか?
無診察で責任を問われる医師の反対、長期処方で十分、分割調剤との違いなど課題は多いです。
さらに、医療費軽減は国が目的とするところで、多くの病院では収益減となるリフィルには消極的です。
以上より、あえてリフィルを選ぶメリットが患者様と病院と医師にないのが実情です。
今後の予測
私感ですが、低空飛行でいずれなくなる可能性まであるのではないでしょうか。
リフィルにすることで、医療機関と患者側のどちらにもメリットが大きくないと今以上に浸透させることは難しいです。